ゴルフ肘
ゴルフ肘とは、医学的には「上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)」と呼ばれ、肘の内側に痛みを感じる疾患です。名前の通りゴルフ愛好者に多くみられるためこのように呼ばれていますが、ゴルフをしない方にも発症することがあり、日常生活や仕事の動作でも発症することがあります。
ゴルフ肘(内側上顆炎)の主な症状とは?
ゴルフ肘の症状は、「肘の内側」にある内側上顆(ないそくじょうか)という骨の出っ張り周辺に集中します。以下のような症状がみられる場合は、ゴルフ肘の可能性が考えられます。
主な症状一覧
肘の内側の痛み
何もしないでじっとしている時はズーンとした鈍い痛み、でも腕を動かすと「ピキッ」とした鋭い痛みが走ることがあります。まるで、肘の中に小さな針が隠れているような感覚です。
熱感・腫れ
痛む場所がちょっと腫れていたり、触ると熱を持っているように感じるかもしれません。これは体が「今、炎症が起きているよ!」と教えてくれているサインなんです。
肘の曲げ伸ばしでの痛み
特に、腕をまっすぐ伸ばした状態から何か物を持ち上げようとすると、「イタタ!」と痛みが強くなることがあります。例えば、テーブルの上の教科書を取ろうとした時なんかに感じやすいかもしれません。
手首を曲げる動作での痛み
手首を手のひら側にクッと曲げる(掌屈といいます)時に、肘に「ピリッ」とした痛みが走ることがあります。これは、肘から手首につながる筋肉が関係していることが多いです。
握力の低下
普段なら簡単に開けられるペットボトルのキャップが固く感じたり、重い荷物を持つのがつらくなったり、ドアノブを回すのに力が入らなかったりすることがあります。手がいつもより疲れやすいな、と感じることもありますよ。
動作時の違和感
痛みだけじゃなくて、肘を動かすときに「なんか引っかかる感じがするな」とか「腕が突っ張る感じがするな」といった、いつもと違う変な感じがすることもあります。関節や筋肉の動きがスムーズじゃないサインかもしれません。
タオルを絞る、ゴルフのスイング、日常の家事などでの痛み
特に、手首を内側に「キュッ」とひねる動き(回内といいます)や、肘をまっすぐ伸ばしたまま手首にグッと力を入れる動作をすると、痛みが強くなることが多いです。例えば、ゴルフのスイングや野球のバッティング、テニスでボールを打つ時など、スポーツをしている時に痛みを感じやすいです。それだけでなく、お家でタオルを絞ったり、掃除機をかけたり、買い物袋を持ち上げたりするような、普段の何気ない家事でも肘が痛くて困ってしまう人も少なくありません。
ゴルフ肘の原因とは?
ゴルフ肘(内側上顆炎)は、前腕の屈筋群の過使用により、肘の内側に付着する腱に炎症が起こることで生じますが、実は局所の使いすぎだけが原因ではありません。
近年の研究や臨床経験から、以下のような全身的な機能不全が根本にあることが多く見受けられます。
① 股関節の柔軟性低下
ゴルフのスイングでは、体をひねったり、しっかりと踏み込んだりする動きがたくさんあります。もし、この時に股関節(足の付け根の関節)が硬いと、体がスムーズに動きません。すると、本来は股関節で受け止めるはずの体のひねりや衝撃の力が、代わりに上半身、特にひじに集中してしまいます。これが、ゴルフひじになってしまう原因の一つです。
② 体幹筋の筋力・安定性の低下
体幹(お腹まわりの筋肉)は、ゴルフのスイングで力を伝える時にとても大切です。もし体幹の力が弱かったり、しっかり安定していなかったりすると、スイングで生み出された力が、体の中心から手やひじにうまく伝わらなくなってしまいます。その結果、ひじや手首に必要以上の負担がかかってしまうんです。
特に、お腹の横にある腹斜筋や、背骨の近くにある多裂筋といった体の奥深くにある筋肉がうまく使えていないと、スイングの形が崩れたり、 unnecessaryな力が入ったりして、ひじに大きなストレスがかかり、炎症を起こすことにつながります。
③ スイングフォームの崩れ
正しいスイングフォームでゴルフをすることは、ひじへの負担を減らすためにとても重要です。もし、「手だけで打つようなスイング」になっていたり、「体を十分にひねらずに打っている」ような場合は、ひじの関節にものすごい負担がかかってしまいます。これは、特にゴルフを趣味で楽しんでいる方に多い原因と言えます。
④ 過度な練習量や休息不足
ゴルフひじは、練習のしすぎや十分に体を休めていないことでも起こりやすくなります。特に、ゴルフを始めたばかりの人や、久しぶりにゴルフを再開した人が、急にたくさん練習をしてしまうと、ひじにいきなり大きな負担がかかってしまいます。体を痛めないためにも、練習量には気を付けて、きちんと体を休めることがとても大切です。
アーク鍼灸整骨院の施術・アプローチ
① 経験豊富な施術者による評価 × AI姿勢分析の可視化
当院では、豊富な臨床経験を持つ国家資格者が問診・視診・触診・動作評価を中心に施術方針を判断しています。そのうえで、**AI姿勢分析システムを併用し、姿勢や骨格の歪みを「可視化」**することで、患者様自身にも状態を分かりやすくご理解いただけるようにしています。
数値や画像によるビジュアルデータは、再評価や比較にも活用でき、経過を共有しながら改善をサポートします。
② 骨格×深層筋調整・骨盤矯正
痛みの出ている部位(肘)だけでなく、全身の骨格バランスに注目。骨盤・脊柱・肩甲骨の位置を調整し、再発しない体づくりを行います。深層筋にアプローチすることで、関節にかかるストレスを軽減します。
③ 鍼灸治療・ハイボルテージ(高周波)治療
炎症期や痛みが強い場合には、鍼灸やハイボルテージで痛みと炎症を早期に沈静化。神経や筋膜に直接アプローチするため、即効性が期待できます。
④ 超音波治療
微細な振動と温熱により、筋肉や腱の回復を促進。慢性化している方にも有効です。
⑤ テーピング・インソール療法
肘周囲のサポートを目的としたテーピングや、足部から全身のアライメントを整えるインソールの使用で、再発予防に取り組みます。
⑥ ピラティスによる運動療法
ピラティス有資格者による個別運動指導により、体幹や股関節の機能を向上。肩甲骨や体幹との連動性を高めることで、肘への負担を軽減し、根本的な運動パターンを改善します。
【4】よくある質問(Q&A)
Q1. ゴルフ肘は自然に治りますか?
A1. 軽度のものであれば安静により改善することもありますが、原因を取り除かない限り再発のリスクが高くなります。特に慢性化している場合は早期の介入が重要です。
Q2. スポーツや日常生活を続けても大丈夫ですか?
A2. 痛みの程度によって異なりますが、多くの場合はフォーム改善や負荷の調整を行いながら継続可能です。無理をすると長引くため、施術者の判断に基づいて調整しましょう。
Q3. 他院で改善しなかったのですが、見てもらえますか?
A3. 当院ではAI姿勢分析と多職種連携による施術を提供しており、改善実績も豊富です。他院で良くならなかった方もご安心ください。
Q4. 再発予防のためにできることは?
A4. 姿勢改善、肩甲骨や体幹の安定性強化、動作パターンの見直しが有効です。当院ではピラティスやトレーニングによる運動療法も提供しています。
【5】当院の特徴と選ばれる理由
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南九州市・枕崎市・指宿市・南さつま市から来院多数
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柔道整復師・鍼灸師・理学療法士・アスレチックトレーナー・ピラティスインストラクター在籍
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姿勢・動作分析に基づく根本改善型アプローチ
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完全予約制で待ち時間なし
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保険診療・交通事故治療対応
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駐車場完備、バリアフリー設計
【6】まとめ
ゴルフ肘は、単なる使いすぎによる痛みではありません。姿勢や動作、筋力バランスなど多くの要因が絡んで発症します。早期に正しい評価と施術を受けることで、再発のリスクを最小限に抑えることが可能です。
南九州市・枕崎市・指宿市・南さつま市で肘の痛みにお悩みの方は、アーク鍼灸整骨院までお気軽にご相談ください。
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【参考文献】
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日本整形外科学会『上腕骨内側上顆炎の診療ガイドライン』
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日本運動器科学会『スポーツ障害におけるリハビリテーション』
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森田勝『スポーツ医学の基礎知識』南江堂
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American Journal of Sports Medicine, 2010; 38(3): 622–628
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大垣中央病院「上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)」
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慶應義塾大学病院 KOMPAS「テニス肘、ゴルフ肘」
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Joint整形外科「上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)の治療と予防について」