【症例報告②】 MRIで脊柱管狭窄症と診断された60代男性の、坐骨神経痛の改善例
2025年09月3日

【患者様/南九州市・60代・男性・元事務職】
「もう歳だから仕方ない」と諦めていませんか?南九州市にお住まいの60代男性は、病院で「年齢からくるもの」と言われ、諦めかけていました。しかし、痛みの原因を多角的に鑑別し、適切なアプローチを行った結果、日常生活の質が向上した一例です。
ご来院時の状況と鑑別検査
男性の主訴は、数年前から続く右のお尻から太もも、ふくらはぎにかけての痺れと痛みでした。長時間立ったり歩いたりすると症状が悪化し、休むと和らぐため、ご本人も間欠性跛行だと考えていました。病院での診断書を拝見すると、MRI検査で脊柱管狭窄症と診断されており、物理的な狭窄が確認されていました。
私たちは、この診断と症状との関連性を詳しく調べるため、さらに鑑別検査を行いました。
1. 動作分析
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後屈での痛み: 脊柱管狭窄症で一般的に見られる、体を後ろに反らす後屈で痛みが誘発されました。
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前屈でのスムーズさ: しかし、前屈では症状がさほど軽減せず、後屈での痛みの増強も脊柱管の狭窄の程度に比して軽度でした。このことから、症状が必ずしも脊柱管の狭窄のみに起因するわけではない可能性を検討しました。
2. 整形外科的テスト
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SLRテスト(下肢伸展挙上テスト): 仰向けに寝た状態で脚をまっすぐ持ち上げると、お尻から太ももにかけて強い痛みが走りました。これは坐骨神経の炎症や圧迫を示唆する陽性サインです。
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大腿神経伸展テスト(FNST): 逆にうつ伏せで膝を曲げるテストでは痛みが誘発されず陰性でした。この結果は、腰椎上部の神経根性障害の可能性が低いことを示唆しており、下部腰椎や骨盤周囲の神経圧迫が原因である可能性が高いことを裏付けました。
3. 診察・触診
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梨状筋とハムストリングスの過緊張: お尻の奥にある梨状筋や、太ももの裏のハムストリングスに強い張りや硬結(コリ)が見られ、押すと痺れが誘発されました。これらの所見から、男性の主訴の多くは、脊柱管の狭窄に加え、筋肉の過緊張による坐骨神経への圧迫が関与している可能性が高いと判断しました。
症状の観察とアプローチ
男性の姿勢や運動パターンの不均衡、そして筋肉の過緊張に着目し、以下の施術を段階的に行いました。
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物理療法: 痛みの強いお尻や太ももの筋肉にハイボルト療法を実施し、神経の興奮を鎮め、痛みの軽減を図りました。
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手技療法: 硬くなった梨状筋やハムストリングスを丁寧に筋膜リリースで緩め、神経への圧迫を解放しました。
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セルフケア指導: 立ち方や座り方、ストレッチなど、日常生活での負担を減らすためのアドバイスを行いました。
施術を継続する中で、男性の症状は徐々に改善し、日常生活の質が向上
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3回目: 施術後、夜間のお尻から太ももにかけての痛みが軽減し、歩行時の痛みが軽減してきました。
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8回目: 長時間立ったり歩いたりした際の痛みがほとんど気にならなくなり、安心して日常生活を送れるようになりました。
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12回目: 痛みが完全に消失し、足を引きずることもなくなったため、施術を終了しました。今後は再発予防のためのセルフケアを継続していただいています。
施術を継続する中で、男性の日常生活での痛みや痺れは徐々に和らぎ、趣味のウォーキングも楽しめるようになりました。この症状の改善には、施術の効果に加え、ご本人のセルフケアの継続や自然経過も関連していると考えられます。男性は「年齢のせいだと諦めていた痛みがなくなり、本当に嬉しい」と大変喜んでくださいました。
担当者からの一言
「脊柱管狭窄症」と診断されても、すべての症状がその狭窄から来るとは限りません。特に、筋肉の過緊張や姿勢・運動パターンの不均衡が原因で、梨状筋部での神経絞扼が疑われるケースは少なくありません。
この症例はあくまで個人の経験談であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。しかし、「年齢のせいだから…」と諦める前に、複数の要因を鑑別し、一人ひとりに合ったアプローチを試すことが大切です。





