【専門家が解説】足の痛み完全ガイド:有痛性外脛骨・外反母趾・モートン病・種子骨障害の根本原因と治療法

「一歩踏み出すたびにズキッと痛む」「思いっきり走りたいのに、痛みが気になって全力が出せない」…そんなつらい足の痛み、「もう治らないかも」と諦めかけていませんか?チームメイトが上達していく中で、自分だけが見学している…そんな悔しい思いをしている君にこそ、この記事を読んでほしいです。

足の痛みは、ただ痛いだけではありません。無意識に痛いほうの足をかばって歩くことで、体のバランスが崩れ、膝や股関節、腰の痛み、さらにはスポーツのパフォーマンス低下といった、全身の不調を引き起こす危険なサインなのです。

この記事では、特にスポーツを頑張る中高生に多く見られる有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)、外反母趾(がいはんぼし)、モートン病、種子骨障害(しゅしこつしょうがい)という、足の痛みの代表的な4つの原因について、それぞれの症状や特徴、そして痛みを繰り返さないための根本的な解決策まで、足の専門家がとことん分かりやすく解説します。

【症状セルフチェック】4つの代表的な足の痛み

あなたの足の痛みはどれに当てはまりますか?まずは、各疾患の概要と典型的な症状を解説します。

Q1. 有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)とは何ですか?

A. 外脛骨障害とは、足の内側(土踏まず付近)にある余分な骨(外脛骨)が、運動などの負荷によって炎症を起こし、痛みや腫れを引き起こす状態です。

概要

日本人の約15〜20%に存在するとされる先天的な過剰骨が原因です。通常は無症状ですが、スポーツ活動が活発になる10代で発症しやすい特徴があります。

主な症状

  • 足の内側、土踏まずの少し上にある骨の出っ張りに痛みや腫れがある。
  • 運動中や運動後に痛みが増す。
  • 靴を履くと、その部分が圧迫されて痛む。

有痛性外脛骨についての詳細はこちらをご覧ください

Q2. 外反母趾(がいはんぼし)とは何ですか?

A. 外反母趾とは、足の親指(母趾)が小指側に「くの字」に曲がり、付け根の関節が内側に突出して痛む足の変形です。

概要

不適切な靴の選択や歩き方の癖が主な原因です。変形が進行すると、足全体のバランスが崩れ、膝痛や腰痛を引き起こすこともあります。

主な症状

  • 親指の付け根の突出部が、靴に当たると痛む、赤く腫れる。
  • タコや魚の目ができやすい。
  • 進行すると、安静にしていても痛むことがある。

外反母趾についての詳細はこちらをご覧ください

Q3. モートン病とは何ですか?

A. モートン病とは、足の指へ向かう神経が、指の付け根部分で圧迫されて生じる神経痛です。

概要

主に中指と薬指の間で発生します。ハイヒールやつま先の細い靴の常用が、発症の大きな要因となります。

主な症状

  • 歩行時に、足の指の付け根に「ピリッ」とした鋭い痛みやしびれ、灼熱感が生じる。
  • 「靴の中に小石が入っているような」違和感がある。
  • 靴を脱ぐと症状が和らぐことが多い。

モートン病についての詳細はこちらをご覧ください

Q4. 種子骨障害(しゅしこつしょうがい)とは何ですか?

A. 種子骨障害とは、足の親指の付け根の裏側(母趾球)にある2つの小さな骨(種子骨)に、過度な負荷がかかり炎症や疲労骨折を起こす状態です。

概要

ランニングやジャンプなど、地面を強く蹴り出す動作の繰り返しが原因となります。ダンサーやアスリートに多く見られます。

主な症状

  • 親指の付け根の足裏側(母趾球)を押すと痛い。
  • 歩行時、特に地面を蹴り出す瞬間に痛みが強くなる。
  • 患部に腫れや熱感を伴うことがある。

種子骨障害についての詳細はこちらをご覧ください

【原因を特定】あなたの足はなぜ痛むのか?

「足が痛い」と感じるとき、その原因は一つだけではないことがほとんどです。実は、生活習慣や体のクセ、履いている靴など、いくつかの原因がまるでパズルのように組み合わさって痛みを引き起こしているのです。

ここでは、足の痛みを引き起こす代表的な4つの症状について、その「根本的な原因」は一体何なのか、みなさんにも分かりやすく、一つひとつ詳しく探っていきましょう。

有痛性外脛骨の主な原因

足の過回内(オーバープロネーション)

歩いたり走ったりするときに、土踏まずが地面に向かってベタッと潰れるように、内側に倒れ込んでしまう状態を「過回内(オーバープロネーション)」と呼びます。

この動きが大きすぎると、足の内側にある「外脛骨」という骨にくっついている腱(筋肉と骨をつなぐ丈夫なヒモのようなもの)が、まるでゴムを無理やり引っ張るように強く伸ばされてしまいます。この状態が繰り返されることで、腱の付け根で炎症が起きてしまい、ズキズキとした痛みの原因になるのです。

扁平足

本来、足の裏にある「土踏まずのアーチ」は、地面からの衝撃を吸収するバネのような大切な役割を担っています。

しかし、扁平足(へんぺいそく)などでこのアーチが低くなっていると、バネが弱っているのと同じ状態です。そのため、歩くたびに地面から伝わる衝撃をうまく吸収できず、その結果、足が内側へ倒れ込む「過回内」がさらにひどくなってしまいます。これが、外脛骨への負担をどんどん大きくしてしまうのです。

不適切な靴

例えば、かかと部分がフニャフニャで柔らかすぎる靴や、大きすぎて足が中で動いてしまう靴を履いていませんか? このような自分の足に合っていない靴は、足元全体のバランスを崩す大きな原因になります。

足が靴の中でグラグラと不安定になることで、正しい歩き方ができなくなり、結果として外脛骨のような特定の場所に負担が集中し、痛みを引き起こしやすくなるのです。

過度なスポーツ活動

バスケやサッカー、陸上部などで、ジャンプや急な方向転換、ダッシュといった激しい動きを何度も繰り返すことは、外脛骨の周りにある筋肉や腱に直接的なダメージを与えます。特に成長期の中学生は、骨や筋肉がまだ発達途中なので、使いすぎ(オーバーユース)によって炎症が起こりやすく、痛みの原因となりやすいので注意が必要です。

 

外反母趾の主な原因

不適切な靴の選択

おしゃれなデザインの靴に多い、つま先がキュッと細くなっている靴や、かかとが高いハイヒールは、外反母趾を引き起こす最も大きな原因と言われています。

このような靴を履くと、足の指、特に親指が「く」の字に曲がるように、狭いスペースに無理やり押し込められてしまいます。この状態が長く続くと、指の関節がその形で固まってしまい、徐々に変形が進んでしまうのです。

足裏アーチの低下(開張足)

足の裏には、親指の付け根から小指の付け根にかけて「横アーチ」という弓なりの構造があります。このアーチが崩れて、足の横幅がベターッと広がってしまった状態を「開張足(かいちょうそく)」と呼びます。

開張足になると、本来は分散されるはずの体重が親指の付け根に集中してかかるようになり、その結果、親指が外側に向かって曲がってしまう外反母趾がどんどん悪化していきます。

歩き方の癖

歩くときに、足の指をしっかりと使って地面を蹴らずに、足の裏全体でペタペタと歩くクセはありませんか? このような歩き方をしていると、地面からの衝撃が足全体にうまく分散されません。

その結果、衝撃が親指の付け根に集中してしまい、外反母趾の痛みや変形をさらに悪化させる原因となってしまいます。

姿勢の歪み

一見、足とは関係なさそうに思える骨盤の歪みや、背中が丸まってしまう猫背といった悪い姿勢も、実は外反母趾に大きく影響しています。

姿勢が崩れると、体全体のバランスが崩れ、左右の足にかかる体重がアンバランスになります。すると、無意識のうちに片方の足に余計な負担がかかり続け、親指の付け根にストレスが集中することで、外反母趾を悪化させる隠れた原因になるのです。

 

モートン病の主な原因

横アーチの低下

足の指の付け根あたりには、弓のようにカーブしている「横アーチ」という骨の並びがあります。このアーチが、何らかの原因でぺちゃんこに潰れてしまうと(開張足とも言います)、指の骨と骨の間が狭くなってしまいます。その狭くなった隙間を通っている大切な神経が、骨に挟まれて圧迫されることで、モートン病特有のしびれや鋭い痛みが引き起こされるのです。

ハイヒールと先の細い靴

特に女性に多い原因ですが、ハイヒールのようにかかとが高く、つま先が細い靴を履くと、足は常につま先立ちのような状態になります。この姿勢は、ただでさえ神経が通っている足指の付け根のスペースを最も狭くしてしまいます。それに加えて、靴の横からの圧迫も加わるため、神経がギュッと押しつぶされる形になり、強い痛みを引き起こす直接的な原因となります。

長時間の立ち仕事や歩行

例えば、お仕事で一日中立っていたり、長時間歩き回ったりすると、足の指の付け根にはずっと体重という圧力がかかり続けます。この刺激が毎日繰り返されると、体は神経を守ろうとして、神経そのものがタコのように硬く、分厚くなってしまうことがあります(これを神経の肥厚といいます)。しかし、分厚くなった神経は、かえって周りの骨に圧迫されやすくなり、「圧迫される→神経が厚くなる→さらに圧迫される」という痛みの悪循環に陥ってしまうのです。

 

種子骨障害の主な原因

繰り返しの衝撃

親指の付け根にある「種子骨」は、地面を強く蹴り出すときに重要な役割を果たします。そのため、陸上競技のダッシュや、バレーボールのジャンプなど、地面からの強い衝撃が何度も繰り返し加わるスポーツを行うと、この小さな種子骨に目に見えないほどの細かい傷(微細損傷)がついたり、炎症が起きたりして、痛みの原因となります。

クッション性の低い靴

靴の裏側、つまり地面と接する部分を「ソール」と呼びます。このソールが薄い靴や、クッション性がほとんどない靴を履いて、コンクリートのような硬い地面の上を走ったり運動したりするとどうなるでしょうか? 地面からの衝撃を靴が吸収してくれないため、まるで裸足で走っているかのように、衝撃がダイレクトに足の裏、特に種子骨に伝わってしまい、痛みを引き起こす原因になります。

足のアーチ異常(ハイアーチ)

扁平足とは逆に、土踏まずのカーブが極端に高い足のことを「ハイアーチ(甲高)」と言います。ハイアーチの足は、地面に接している面積が「かかと」と「つま先(特に親指の付け根)」だけになりがちです。そのため、歩いたり走ったりするたびに、体重が親指の付け根にある種子骨に集中的にかかってしまい、他の人よりも種子骨障害を発症するリスクが非常に高くなります。

急激な運動量の増加

例えば、部活動が始まったばかりの新入生や、オフシーズン明けの選手が、まだ体がトレーニングに慣れていないのに、急に練習量を増やしたり、練習の強度を上げたりすることは非常に危険です。このような急激な負荷の増加は、筋肉や骨が対応できず、いわゆる「オーバーユース(使いすぎ)」の状態を引き起こします。これが、種子骨障害をはじめとする多くのスポーツ障害の典型的な原因となるのです。

アーク鍼灸整骨院の施術/アプローチ:根本改善と再発防止へ

鹿児島県の南九州市、枕崎市、指宿市、南さつま市にお住まいで、「歩くと足が痛い」「スポーツをすると特定の場所が痛む」といった足の痛みで困っている学生さんや大人の方はいませんか?アーク鍼灸整骨院では、ただ痛いところに湿布を貼るようなその場しのぎの治療(対症療法)は行いません。痛みの本当の原因はどこにあるのかを突き止め、体全体のバランスを骨格から整えることで、今のつらい症状を良くすることはもちろん、痛みがぶり返さない「再発しない体づくり」を目標にしています。国家資格を持つ経験豊富な体のプロが、あなた一人の体の状態をじっくりと見させていただき、一番合った治療計画を一緒に考えていきます。

丁寧なカウンセリングとAI姿勢分析による詳細な評価

まずは、あなたのことを詳しく教えてください。「いつから痛いのか」「どんな時に痛むのか」「部活や勉強でどんなことに困っているか」など、どんな些細なことでも構いません。しっかりとお話を聞かせていただくことが、治療の第一歩です。その後、最新のAI(人工知能)を使った姿勢分析を行います。これにより、自分では気づきにくい体の歪みや、歩き方のクセが、誰の目にも分かりやすく画面上で「見える化」されます。ベテラン施術者の経験と、AIによる客観的なデータを組み合わせることで、なぜ足が痛むのか、その本当の原因をより正確に見つけ出し、あなただけの「最短で良くなるための治療計画」を作ることができるのです。

痛みの根本にアプローチする施術メニュー

アーク鍼灸整骨院では、足の痛みを引き起こしている「体の歪み」や「動きのクセ」を正すため、以下にご紹介するたくさんの治療法の中から、今のあなたの状態にピッタリ合うものを厳選して組み合わせ、完全オーダーメイドの治療を行っていきます。

骨格✖️深層筋調整

身体の土台となる骨盤の歪みや、足部を含む全身の関節の歪みを整え、深層部の筋肉の緊張を緩めます。これにより、足にかかる不必要な負担を軽減し、正しい重心バランスを取り戻します。特に外反母趾や外脛骨、種子骨障害の方にとって、足部のアーチを支える筋肉の機能改善は重要です。

骨盤矯正

足の痛みは、骨盤の歪みからきているケースも少なくありません。骨盤が歪むと、重心が偏り、足部に不自然な負担がかかります。骨盤矯正を行うことで、身体全体のバランスを整え、足への負担を軽減します。

鍼灸治療

痛みの強い部位や、深部の筋肉の緊張に対して、鍼灸治療は高い効果を発揮します。血行を促進し、神経の興奮を鎮めることで、外脛骨による炎症や、モートン病による神経痛、種子骨障害による痛みの緩和に繋がります。

テーピング

足部の痛む部位や不安定な関節に対して、テーピングを行うことで、一時的にサポートし、痛みを軽減します。また、正しいアーチの形成を助けたり、筋肉の動きをサポートしたりすることで、自然治癒力を高めます。特に種子骨障害では、テーピングで負担を軽減することが有効です。

インソール療法

足のアーチの崩れや、過回内、扁平足などが原因で足部に痛みが出ている場合、個々の足の形や歩行パターンに合わせたオーダーメイドのインソール療法をご提案します。インソールは、足の負担を軽減し、正しい足の機能をサポートすることで、外脛骨、外反母趾、モートン病、そして種子骨障害の痛みを和らげ、再発防止に貢献します。

ハイボルテージ(高周波)治療

強い痛みや炎症がある場合、ハイボルテージ治療器を用いて、深部の組織に電気刺激を与えます。これにより、痛みを素早く緩和し、血流を改善することで、組織の修復を促します。特に急性の痛みや、モートン病による神経痛、種子骨障害による痛みに効果が期待できます。

超音波治療

炎症を抑え、組織の修復を促進する効果があります。外脛骨炎や種子骨障害による炎症、モートン病で神経周囲の組織が肥厚している場合などに、痛みの緩和と治癒の促進を図ります。

EMSトレーニング

足裏のアーチを支える筋肉や、足全体のインナーマッスルの強化は、足部の安定性を高め、痛みの再発予防に不可欠です。EMS(Electrical Muscle Stimulation)トレーニングは、ご自身では鍛えにくい深層筋を効率的に鍛えることができます。

 

鹿児島県の南九州市、枕崎市、指宿市、南さつま市、そしてその周辺地域で「歩くと足が痛い…」と悩んでいる方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。一緒に根本原因から治して、最高のパフォーマンスを取り戻しましょう。

執筆者:アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

理学療法士・はり師・きゅう師・柔道整復師・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持ち、これまでの経験・実績を基に情報を発信し、少しでも多くの方の助けになるよう努めている。

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