臼蓋形成不全

臼蓋形成不全とは?

臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)は、生まれつき股関節の受け皿(臼蓋)が浅く、骨頭を十分に覆えていない状態を指します。股関節が不安定になりやすく、将来的には変形性股関節症へと進行するリスクが高い疾患です。

特に女性に多く見られ、出産後や中高年になると痛みや歩行障害などの症状が現れやすくなります。しかし、早期の発見と保存療法による管理により、痛みの軽減や機能維持、進行予防が十分に可能です。

臼蓋形成不全の原因と日常生活への影響

主な原因には以下のものがあります:

① 先天的要因

出生時から股関節の発育が不十分な場合があり、特に女児に多く見られます。

② 遺伝的要因

家族に股関節のトラブルを持つ方がいると、同様の問題が発生しやすいと言われています。

③ 姿勢や体の使い方

骨盤の歪み、片足荷重、反り腰、猫背など、股関節に負担がかかる姿勢を日常的にとることで、悪化することがあります。

④ 筋力バランスの崩れ

臀筋群や体幹筋の筋力低下により、股関節の安定性が失われやすくなります。

臼蓋形成不全の症状と生活への影響

臼蓋形成不全の主な症状は以下の通りです:

  • 股関節の違和感や痛み(特に立ち上がり・歩行時)

  • 長時間の立位や歩行で疲れやすい

  • 階段の上り下りがつらい

  • 股関節の可動域が狭くなる

  • 骨盤の左右差による姿勢の乱れや腰痛

これらは放置すると日常生活に大きな支障をきたし、歩行困難や人工股関節手術の可能性もあります。

整形外科での治療

整形外科では次のような処置が行われることが多いです:

  • 投薬(痛み止め・抗炎症剤)

  • リハビリテーション(ストレッチ・筋トレ)

  • ヒアルロン酸注射

  • 変形性股関節症が進行した場合:人工股関節置換術

しかし、投薬や注射では根本的な構造的問題を改善することは難しく、対症療法にとどまることが多いです。

アーク鍼灸整骨院の施術

整骨・リハビリ分野での効果的なアプローチ

当院では、臼蓋形成不全に対する保存療法の一環として、骨格調整・筋力強化・ストレッチ・運動療法などを組み合わせた施術を行っています。以下では、臼蓋形成不全に対して当院が行う主なアプローチをご紹介します。

① 骨盤・骨格の調整

臼蓋形成不全では、骨盤や股関節周囲のアライメントが乱れているケースが多く見られます。これにより、股関節に過剰な負担がかかり、炎症や痛みが引き起こされることがあります。

  • 仙骨・骨盤の調整:仙腸関節の可動性を改善し、左右のバランスを整えることで、股関節の動きがスムーズになりやすくなります。

② 筋力強化トレーニング(運動療法アプローチ)

股関節の不安定性を補うためには、股関節周囲の筋肉(特に中殿筋や大腿四頭筋)の強化が不可欠です。筋肉が股関節をしっかり支えることで、関節への負担が軽減し、痛みの緩和・症状の進行予防に繋がります。当院では、ピラティスや機能的トレーニングを用いて、体幹・股関節周囲筋の強化を図ります。これにより股関節への負担を減らし、再発予防へとつなげます。

③ 筋弛緩を促す筋膜リリース・ストレッチ

臼蓋形成不全の方は、股関節周囲の筋緊張が高くなりがちです。これにより動作時の痛みが強くなったり、関節の動きが制限されてしまうケースがあります。

筋肉の緊張を和らげることで、股関節のスムーズな動きと可動域の改善が期待できます。特にリハビリ初期の痛みが強い時期には、筋弛緩が有効なファーストステップとなります。

④ 鍼灸治療(必要に応じて)

深層筋の緊張や炎症が強いケースでは、鍼灸による鎮痛と循環改善を行い、早期回復を促します。

⑤ 保存療法における運動と休息のバランス

保存療法の中で特に重要なのは、「安静にしすぎないこと」。長期間の安静は筋力低下を招き、股関節の不安定性をさらに助長してしまいます。逆に、痛みが強い時に無理な運動を行うと、症状を悪化させる可能性があります。

そのため、

  • 痛みがある時は筋弛緩・ストレッチ中心

  • 痛みが和らいできたら筋力強化や可動域拡大運動へと移行する

といったステップを踏むことが、安全かつ効果的な保存療法のポイントです。

整骨院でできること 〜当院の施術の特徴〜

南九州市・枕崎市・指宿市・南さつま市にお住まいの方で、臼蓋形成不全による股関節の違和感・痛みにお悩みの方は、アーク鍼灸整骨院にご相談ください。

  • 国家資格者による安心の施術

  • 骨格調整から運動指導まで一貫サポート

  • 最新医療機器と手技療法の組み合わせ

     

    【施術料金例】

    • 初診料+施術料:2,500円(税込)

    • 月額通い放題プラン:8,000円〜12,000円(税込)

     


まとめ:臼蓋形成不全は「整える・鍛える・緩める」の3本柱がカギ

臼蓋形成不全は、適切な保存療法を行うことで、進行予防や症状改善が可能な疾患です。

  • 骨盤・股関節のアライメントを**「整える」**

  • 筋力強化で関節を**「支える=鍛える」**

  • 過緊張を「緩める」ことでスムーズな動作を獲得

この3つのバランスを整えることが、変形性股関節症への進行を防ぎ、長く健康に歩き続けるための第一歩です。

臼蓋形成不全は、進行すると変形性股関節症につながるリスクの高い症状です。

しかし、早期に正しい評価と施術を受けることで、手術に頼らず快適な生活を取り戻すことも可能です。

 

よくある質問(Q&A)

Q1:臼蓋形成不全は整骨院でも改善できますか?

→ はい。軽度〜中程度の方であれば、当院の施術により痛みの軽減・筋力強化・姿勢改善を図ることが可能です。

Q2:どのくらいの期間で良くなりますか?

→ 個人差はありますが、週1~2回の通院を2〜3ヶ月継続することで多くの方が効果を実感されています。

Q3:運動しても大丈夫ですか?

→ 適切なフォームであれば可能です。当院では、専門家の指導のもと、安全なトレーニングメニューを提供しています。

Q4:どんな人に多いですか?

10代後半〜40代女性に多く、出産を機に症状が悪化する方も少なくありません。

Q5:整形外科との併用はできますか?

→ もちろん可能です。当院では、整形外科での診断内容をもとに施術プランを立てることもあります。

 


【参考文献・引用元】

  • 日本整形外科学会:臼蓋形成不全について

  • 厚生労働省:運動器障害に関する統計

  • 慶應義塾大学病院 医療情報サイト「KOMPAS」

  • Clinical Orthopaedics and Related Research(2011)「Acetabular Dysplasia Review」

執筆者:アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

理学療法士・はり師・きゅう師・柔道整復師・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持ち、これまでの経験・実績を基に情報を発信し、少しでも多くの方の助けになるよう努めている。

詳しくはこちら