野球肘

野球肘とは?(症状の概要)

野球肘(やきゅうひじ)は、特に成長期、つまり骨がまだ大人になりきっていない小学生や中学生の野球選手に多く発生するひじの障害です。中でも、ピッチャーやキャッチャーなど、ボールを投げる機会が非常に多いポジションの選手によく見られます。ボールを投げるという動きは、腕をムチのようにしならせて使いますよね。その時、ひじには「引っ張られる力」「骨同士がぶつかり合う力」「ねじられる力」といった、実はものすごく大きな負担がかかっています。この負担が何度も何度も積み重なることで、ひじの軟骨や靭帯(じんたい)、骨が傷ついてしまい、痛みを引き起こすのです。これを「使いすぎ(オーバーユース)」と言います。もし「ちょっと痛いだけだから大丈夫」と我慢して練習を続けてしまうと、骨が変形してしまったり、痛みがずっと残ってしまったりして、将来、大好きな野球が続けられなくなるだけでなく、日常生活にも影響が出てしまう可能性があります。だからこそ、ひじのサインに早く気づいて、専門家に見てもらい、正しく対処することが何よりも大切なんです。

野球肘の主な症状

  • ボールを投げる瞬間の加速期や、投げ終わって腕を振り下ろすフォロースルーの時に、ひじの内側や外側、後ろ側がズキっと痛む。最初は投げ終わった後に少し痛む程度だったのが、だんだん投球中にも痛みを感じるようになります。

  • ひじを伸ばそうとすると、最後までピーンと伸びきらない感じがする。逆に、深く曲げようとしても、何かが詰まっているような「引っかかり感」があって曲げにくい。これは、肘の内部で炎症が起きたり、剥がれた軟骨のかけらが挟まったりすることで起こる場合があります。

  • 痛い部分がポコッと腫れていたり、触ってみると他の部分より熱っぽく感じたりする。これは、ひじの内部で炎症が起きているサイン(SOS)です。体の中で「ここが傷ついているよ!」とお知らせしてくれている状態です。

  • ボールを握ったり、ドアノブを回したりするときに、ひじの辺りに力が入らなかったり、抜けるような感覚がしたりする。痛みのせいで、脳が筋肉にうまく指令を出せなくなっている状態です。

野球肘の怖いところは、初期症状が「ちょっとした違和感」や「軽い痛み」で始まることが多い点です。「これくらいなら大丈夫だろう」「レギュラー争いがあるから休めない」と無理をして練習を続けてしまうと、症状はどんどん悪化していきます。最終的には、全力でボールが投げられなくなるだけでなく、顔を洗う、カバンを持つ、字を書くといった、普段の何気ない動作でも痛みを感じるようになり、生活そのものが不便になってしまうことさえあるのです。

野球肘の原因|肘だけでなく、身体全体のバランスが鍵を握る

繰り返しの投球動作によるストレス(局所的な原因)

野球肘が起こる一番直接的なきっかけは、何度も何度もボールを投げることで、ひじの特定の場所に負担が集中してしまうことです。特に、君たちのような成長期の選手は、骨の端っこに「成長軟骨」という、大人よりも柔らかくて弱い部分があります。体全体がまだ「工事中」のような状態で、骨や靭帯、筋肉などがまだ完成されていないんです。そのため、大人の選手なら耐えられるような投球の強い力でも、成長期の選手のひじは耐えきれず、炎症を起こしたり、時には軟骨が剥がれてしまったりと、傷つきやすい状態にあります。

内側型(内側上顆炎・靭帯損傷)

ボールを投げるために腕をトップの位置から前に振り出す時、ひじの内側には「ブチッ!」と引きちぎるような強い力がかかります。この「引っ張られるストレス」が繰り返されることで、骨と筋肉をつなぐ腱や、関節を支える靭帯が悲鳴をあげてしまう状態です。輪ゴムを何度も強く引っ張り続けると、やがて切れてしまうのをイメージすると分かりやすいかもしれません。

外側型(離断性骨軟骨炎など)

腕がしなり、ボールをリリースする直前、ひじの外側では骨同士が「グッ!」と強くぶつかり合います。この「圧迫されるストレス」が積み重なると、クッションの役割をしている軟骨がすり減ったり、骨の一部が剥がれてしまったりします。これは野球肘の中でも特に治りにくく、注意が必要です。

後方型(肘頭疲労性障害など)

ボールを投げ終わった後、ひじがピーンと伸びきる時、ひじの後ろ側にある骨同士が「ゴツン!」と衝突します。この「ぶつかり合うストレス」が繰り返されることで、骨に疲労骨折が起きたり、骨のトゲ(骨棘:こつきょく)ができてしまったりします。

このように、ひじの痛む場所によって原因となるストレスは異なります。しかし、これらのケガは単に「投げすぎ」というだけでなく、多くの場合「体全体の使い方が非効率的であること」という、もっと根本的な問題が組み合わさって発生するのです。

なぜ肘に負担が集中するのか?|身体全体の機能不全

「自分は投げすぎているわけじゃないのに、なぜかひじが痛い…」と感じる選手もいるかもしれません。実は、ひじ自体に悪い癖がなくても、これから説明するような「全身の連動性が失われている」状態だと、投球パワーを生み出す過程で生まれた負担が、最終的にすべてひじに集中してしまうのです。

股関節の柔軟性低下

良いピッチングのパワーは、地面を蹴る足から始まり、股関節、体幹、肩甲骨、そして腕へと、まるでムチのように連動して伝わっていきます。しかし、股関節が硬いと、このパワー伝達の最初の段階でブレーキがかかってしまいます。下半身でせっかく生み出した大きな力を上半身にうまく伝えられないため、その不足分を補おうとして、無意識のうちに肩やひじを余計に動かす「手投げ」状態になり、ひじに過剰な負担がかかるのです。

  • 例えば、右投げの選手の場合、踏み出す方の足である右股関節が硬く、内側へのねじりが足りないと、胸の開きが早くなりすぎてしまいます。体が早くキャッチャーの方を向いてしまうため、腕が体から遅れて出てくる形になり、ひじの内側に強烈なストレスがかかります。

  • 逆に、軸足である左股関節が硬いと、テイクバックからトップの位置にかけて、体を十分にひねることができません。この「ため」が作れない分、腕の力だけで無理やり投げようとするため、結果としてひじを酷使することにつながります。

下半身のパワーをボールに伝えるためには、股関節の柔軟性は絶対に欠かせません。お風呂上がりのストレッチなどで股関節の柔軟性を高めることは、ひじを守るための非常に重要なトレーニングと言えます。

体幹の安定性不足(コアの弱さ)

体幹は、下半身から上半身へ力を伝える「土台」であり「通路」です。この体幹が弱いと、まるでグラグラの土台の上で大砲を撃つようなもので、力のほとんどが途中で逃げてしまいます。その結果、不安定な体を支えようと腕や肩が頑張りすぎてしまい、一番弱い部分であるひじに負担が集中してしまうのです。

  • 投げる時に骨盤がフラフラと不安定だと、体の回転軸がブレてしまい、腕を振る軌道も安定しません。毎回違うフォームで投げることになり、ひじに余計なストレスがかかります。

  • 腹筋や背筋などの体幹の筋力が不足していると、下半身と上半身の動きがバラバラになります。この「タイミングのズレ」が、肩甲骨や腕のスムーズな動きを妨げ、ひじのケガに直結します。

強い体幹は、いわば「体に取り付けた最高のひじサポーター」です。ひじをケガから守るためには、体幹トレーニングが不可欠ということを覚えておきましょう。

肩甲骨の可動性・安定性の低下

肩甲骨は、腕の骨の「土台」となる、非常に重要な骨です。この肩甲骨が背中の上でスムーズに動くことで、腕は広い範囲を自由に動くことができます。しかし、周りの筋肉が硬くなったり弱くなったりして肩甲骨の動きが悪くなると、腕の動きが制限され、その分をひじ関節が無理に動いて補おうとするため、負担が劇的に増えてしまいます。

  • 腕を振り上げるテイクバックの時、肩甲骨が背骨の方へ十分に寄らないと、肩やひじに詰まり感が生まれ、痛みの原因になります。

  • 前鋸筋や僧帽筋といった肩甲骨を支える筋肉のバランスが崩れると、肩甲骨が本来あるべき位置からズレてしまいます(これを「翼状肩甲」などと言います)。このズレが、腕の動きを非効率にし、ひじへの負担を増大させます。

股関節から体幹へ伝わったパワーを、最終的に腕へスムーズに伝える「中継役」が肩甲骨です。このつながりが悪いと、そのしわ寄せはほぼ間違いなくひじに来ると考えてください。

成長期における筋力と柔軟性のアンバランス

  • 中学・高校時代は、身長が急激に伸びる「成長スパート」が訪れます。この時、骨の伸びるスピードに筋肉や腱の成長が追いつけず、一時的に体が非常に硬くなる「タイトネス」という状態に陥りやすいのです。

  • 体が硬くなると、しなやかな動きができなくなり、投球フォームの効率が悪化します。その結果、特定の関節、特にひじや肩に負担が集中しやすくなります。

  • また、この時期は筋力もまだ発達段階にあるため、体のバランスを保ちながら正しいフォームで投げ続けることが難しく、自分でも気づかないうちにひじに負担のかかる投げ方になってしまいがちです。

特に、中学から高校へ進学し、練習の強度が一気に上がる時期は最も注意が必要です。この大切な時期に、自分の体の変化を理解し、野球肘を予防するための適切なストレッチやトレーニングを行うことが、選手生命を守る上で極めて重要になります。

まとめ|肘の症状=全身の動作エラーの結果

ここまで説明してきたように、ひじに痛みが出ているとしても、ひじはあくまで「被害者」であり、本当の「犯人」は股関節の硬さや体幹の弱さ、肩甲骨の動きの悪さなど、ひじ以外の場所にあるケースがほとんどです。だから、いくらひじに湿布を貼ったりマッサージをしたりしても、根本的な原因が解決されない限り、野球肘は何度も再発してしまうのです。

私たちアーク鍼灸整骨院では、痛みのあるひじだけを見るのではなく、必ず体全体の動きやバランスを詳細にチェックする「全体を見て原因を突き止めるアプローチ」を大切にしています。これにより、「なぜ君のひじが痛くなったのか?」という本当の原因を解明し、痛みの改善はもちろん、「どうすれば二度と痛みを繰り返さないか?」という未来のための再発防止策までを一緒に考え、サポートします。

 

野球肘の分類

野球肘の分類

野球肘と一言で言っても、実は痛む場所や原因によって、いくつかの種類に分けることができます。これを「分類」と言います。ひじの内側・外側・後ろ側のどこが痛むかによって、ケガの性質や重症度が大きく異なります。車のエンジントラブルも、バッテリー上がりとエンジンオイル漏れでは修理方法が全く違いますよね。それと同じで、どのタイプの野球肘かによって治療やリハビリの計画が大きく変わるため、まずは自分の痛みがどのタイプに当てはまるのかを正確に知ることが、回復への第一歩になります。

内側型(内側上顆炎・内側側副靱帯損傷など)

  • ひじの内側、小指側にある出っ張った骨の周りに痛みが出ます。成長期の野球肘では最も多く見られるタイプです。

  • 腕を大きく振りかぶったトップの位置から、ボールをぐっと加速させていく「投球の加速期」に、腕がしなることでひじの内側が強く引っ張られて痛むのが特徴です。

  • 特に君たちのような成長期の選手の場合、骨がまだ完全に固まっていないため、筋肉が付着している成長軟骨の部分(骨端線)が、強い力で引っ張られて剥がれてしまう「リトルリーグ肘」というケガを起こしやすいです。これは単なる筋肉痛とは全く違う、骨のケガなので特に注意が必要です。

外側型(離断性骨軟骨炎=OCDなど)

  • ひじの外側、親指側にある関節部分に痛みを感じます。初期には痛みがはっきりせず、発見が遅れやすい危険なタイプです。

  • このタイプで最も怖いのが、投球時の圧迫ストレスによって骨と軟骨の一部がダメージを受け、血が通わなくなって壊死(えし)し、最終的に剥がれ落ちてしまう病気(離断性骨軟骨炎=OCD)です。道路のアスファルトに穴が空くようなイメージで、関節の中に骨のかけら(関節ねずみ)ができてしまいます。

  • 症状が進行すると、軽くキャッチボールをするだけでも痛んだり、ひじを動かすと「ゴリッ」と音がして引っかかったりします。放置すると手術が必要になる可能性が非常に高く、選手生命にも関わるため、早期発見・早期治療が何よりも重要です。

後方型(後方インピンジメント、滑膜炎など)

  • ボールを投げ終わり、腕を振り切る「フォロースルー」の時に、ひじの後ろ側(肘頭:ちゅうとう)に痛みが出ます。ひじが伸びきる時に、骨同士がぶつかることで起こります。

  • この衝突が繰り返されることで骨のトゲができたり、関節を包む膜が挟み込まれて炎症を起こしたりします。その結果、ひじが最後まで伸びきらない、曲げ伸ばしできる範囲(可動域)が狭くなるといった症状が出やすいのが特徴です。

 

このように、野球肘の3つのタイプは、それぞれ原因も重症度も全く異なります。「ただの使いすぎだろう」と自己判断してしまうのは非常に危険です。レントゲンや超音波(エコー)検査などを使える専門家に見てもらい、自分のひじの中で何が起きているのかを正確に診断してもらうことが、的確な治療と後悔のない競技復帰のために絶対に必要です。

アーク鍼灸整骨院の施術・アプローチ

野球肘に特化した専門対応

アーク鍼灸整骨院は、単に野球肘の痛みを和らげるだけでなく、ケガの根本原因を見つけ出し、二度と再発させないためのアプローチを最も大切にしています。経験豊富な国家資格を持つ専門家が、君の体の動きを細かく分析し、君だけのオーダーメイドの施術プランを提案します。

人の目と手による“本質的な原因の見極め”

ひじの痛みの本当の原因は、ひじ自体にはないことがほとんどです。ひじはあくまで「被害者」で、肩甲骨や股関節の硬さ、体幹の弱さといった、全身のチームワークの乱れが「真犯人」なのです。
当院では、プロスポーツの現場経験も豊富な体のプロフェッショナル(柔道整復師・鍼灸師・理学療法士など)がチームとなって、以下の点を徹底的にチェックします。

  • 君の投げ方を細かく見て、「ひじが下がっていないか」「体の開きが早くないか」といったフォームの問題点を探します。

  • 「肩甲骨はスムーズに動くか」「股関節は柔らかいか」「体幹(体の中心)はグラグラしていないか」を評価します。

  • 足で生み出したパワーが、体幹や肩甲骨を通り、スムーズに腕まで伝わっているか、力の流れ(連動性)を調べます。

  • 「胸の筋肉は硬すぎないか」「お尻の筋肉は弱すぎないか」など、全身の筋肉の強さや柔らかさのバランスを確認します。

これらのチェックを通じて、まるで探偵のように証拠を集め、「なぜ君のひじに負担が集中してしまったのか?」という根本原因を徹底的に解明します。

さらに、専用のAI(人工知能)を使った姿勢分析も行います。君の体のクセや歪みがデータとして画面に映し出されるので、自分自身の問題点を客観的に「見て」理解できます。これによって、なぜこの治療やトレーニングが必要なのか、納得して取り組むことができます。

痛みを軽減し、回復を促す多角的な施術

野球肘には、ひじの内側・外側・後ろ側など、痛む場所によって様々なタイプがあります。アーク鍼灸整骨院では、君のひじの状態に合わせて、たくさんの治療法の中から最適なものを組み合わせる「オーダーメイド治療」で、一日でも早い回復を目指します。

骨格×深層筋調整

投球動作でガチガチに固まってしまった首や肩、肩甲骨周りの深層筋(インナーマッスル)を、専門家の手技で丁寧にほぐします。これにより、体全体の連動性を取り戻し、ひじにかかる負担を分散させることができます。腰への施術

鍼灸治療(炎症の鎮静と血流改善)

痛みが強い部分や、特に硬くなっている筋肉のツボに対して、髪の毛ほどの細い鍼(はり)でアプローチします。痛みの信号をブロックし、ひじの炎症を鎮めるとともに、血流を良くして体が本来持っている「治る力」を最大限に引き出します。

ハイボルテージ・超音波治療

人の手では届かない、ひじの奥深くにある傷ついた組織(靭帯や軟骨など)に対して、特殊な電気(ハイボルテージ)や超音波を流します。細胞レベルで回復を促すため、痛みを早く取り除く効果が期待できる、多くのプロ野球選手も使用する最新の治療法です。

テーピングサポート

関節の動きをサポートし、筋肉の働きを助けるテーピングを行います。ひじのグラつきを抑え、痛みを悪化させる動きを制限する「お守り」のような役割を果たし、練習や試合に安心して臨めるようサポートします。

フォーム改善と予防のための運動指導

野球肘の治療で最も大切なのは、痛みが取れた後に「ケガをしにくい、正しい体の使い方を覚えること」です。
当院では、体の動きを改善する専門家(ピラティス資格者やアスレティックトレーナー)がマンツーマンで指導し、君に合ったトレーニングを提供します。

  • 下半身のパワーをロスなく腕に伝えるため、肩甲骨・体幹・股関節がチームとして連動するためのトレーニングを行います。

  • 体の軸を安定させ、ブレない投球フォームの土台を作るための体幹(コア)トレーニングを指導します。

  • 硬すぎる筋肉はストレッチで伸ばし、弱い筋肉はトレーニングで鍛え、全身の筋肉のバランスを整えます。

  • 体の動きの科学に基づき、ケガのリスクが低い効率的なフォームを身につけるための指導を行います。

AIによる分析データも参考にしながら、君だけの特別なトレーニングメニューを作成し、ひじの力に頼らず、全身を使って投げる新しいフォームを体に覚えさせていきます。

南九州市・枕崎市・指宿市・南さつま市の野球少年・選手に多数対応

当院には、地元の南九州市(川辺、知覧、頴娃)はもちろん、枕崎市や指宿市、南さつま市といった広い地域から、君と同じように野球をがんばる小学生から高校生の仲間たちがたくさん通っています。
私たちは、まだ成長途中にある君たちの大切な体を理解し、骨や関節に負担をかけない安全な施術で、未来の活躍を全力でサポートします。

予約優先制・スポーツ障害に強い治療院

  • スタッフは全員、国が認めた体の専門家(柔道整復師・鍼灸師)です。安心して体を任せてください。

  • リハビリやトレーニングの専門家(理学療法士・トレーナー)もいるので、チームで君をサポートします。

  • 実際のスポーツチームでの活動経験も豊富なので、選手の気持ちに寄り添ったアドバイスができます。

  • ケガの状態によっては健康保険が使えます。交通事故の治療にも対応しているので、気軽に相談してください。

  • 完全予約制なので、学校や部活で忙しい君の時間を無駄にしません。待ち時間なく治療を受けられます。

野球肘をはじめとするスポーツのケガは、とにかく早く対処することが回復への一番の近道です。
「あれ、なんか変だな」「いつもと投げるときの感覚が違う」と感じたら、それは体からの大事なサインです。我慢しないで、すぐに私たちに相談してください。

福岡で野球肘にお困りの方は、アーク鍼灸整骨院で野球肘治療をお試しください。

⚾ 野球肘(投球障害)に関するQ&A

Q1:野球肘(投球障害)とは、成長期の子供にどんな影響がありますか?

 

A1 ① 結論 野球肘とは、成長期に起こる肘関節の障害の総称で、進行すると骨の変形や分離を引き起こし、野球どころか日常生活に支障をきたす可能性もあります。

② 理由・メカニズム 成長期の子どもたちの骨には、骨が成長する際の軟骨部分である成長軟骨(成長線)があります。投球動作を繰り返すと、肘の内側には引っ張る力(牽引力)、外側には圧縮する力、後ろ側にはぶつかる力が過度に働き、この弱い成長軟骨を損傷させます。これが痛みや可動域制限の原因となり、進行すると骨の離断や変形に繋がります。

③ 改善のための具体的対策 痛みが出たら、すぐに投球を中止し、安静にすることが最も大切です。また、練習後には必ず肘をアイシングし、炎症を鎮める習慣をつけましょう。

④ 専門院での治療アプローチ 専門院では、投球を中止した上で、肘周辺の炎症を鎮める施術を行います。また、肘だけでなく、肩甲骨や体幹、股関節といった、投球動作の土台となる部位の機能評価を行い、肘に負担がかかる投げ方を改善するためのアプローチを並行して行います。


 

Q2:野球肘の早期発見のために、親がチェックすべきサインは?

 

A2 ① 結論 野球肘の早期発見のため、親がチェックすべきサインは、**投球後の肘の痛みの有無、肘の曲げ伸ばしの制限、そして左右の肘の見た目の違い(腫れ)**です。

② 理由・メカニズム 成長軟骨の損傷は、初期段階では軽い違和感や「投球後の少しの痛み」で終わることが多いです。しかし、これが進行すると、肘の関節の動きが硬くなり、完全に曲げたり伸ばしたりできなくなる(可動域制限)ことがあります。また、痛みがある部位は炎症でわずかに腫れたり熱を持ったりすることがあります。

③ 改善のための具体的対策 子どもに「どこか痛いところはないか」と聞くだけでなく、投球後に肘を触って熱を持っていないかを確認したり、左右の肘の曲げ伸ばしを比較させたりすることを習慣にしましょう。少しでも可動域に左右差があれば、すぐに専門家の診察を受けるべきです。

④ 専門院での治療アプローチ 専門院では、**エコー(超音波画像診断装置)**を用いて、成長軟骨の状態を非侵襲的に確認します。痛みだけでなく、投球フォームの分析も行い、「肘が下がっていないか」「体幹がうまく使えているか」など、根本原因を探ります。


 

Q3:野球肘の原因は、投げすぎ(オーバーユース)だけですか?

 

A3 ① 結論 いいえ、野球肘の原因は**投げすぎ(オーバーユース)**だけでなく、不適切な投球フォーム、体幹や股関節の柔軟性・筋力不足といった複合的な要因で発生します。

② 理由・メカニズム 適切な投球フォームでは、体幹や下半身の大きな筋肉で生み出した力を、効率よく腕に伝達し、肘への負担を最小限に抑えます。しかし、これらの土台の機能が不足していると、肘や肩といった末端の関節で無理やりスピードを出そうとするため、肘に過度な負担(特に捻る力)が集中し、障害を引き起こします。

③ 改善のための具体的対策 投げ込みの量だけでなく、投球前に肩甲骨周りのストレッチを入念に行う、**体幹を安定させるトレーニング(ドローインなど)**を取り入れるなど、フォームを支える土台作りに力を入れましょう。

④ 専門院での治療アプローチ 当院では、単に安静を指示するだけでなく、**「アーク式筋骨格調整法」**に基づき、肩甲骨、背骨、骨盤の連動性を高める調整を行います。これにより、肘に負担の少ない、効率的なフォームを体で覚えられるようサポートします。


 

Q4:野球肘のリハビリで、自宅でできる効果的なトレーニングは?

 

A4 ① 結論 野球肘のリハビリで自宅でできるトレーニングは、肘への負担を減らすための肩甲骨と体幹の安定化トレーニング、そして前腕のストレッチが特に効果的です。

② 理由・メカニズム 肘の内側に負担がかかる大きな要因の一つに、**「肩甲骨の不安定さ」**があります。肩甲骨が安定しないと、腕の振り出しで肘にブレーキがかかり、内側の軟骨を引っ張る力が強くなります。そのため、肘そのものではなく、肩甲骨周りの筋肉(特にインナーマッスル)を強化することが重要です。

③ 改善のための具体的対策 チューブを使った肩甲骨の引き寄せ運動や、プランクなどの体幹安定化運動を、正しいフォームで低負荷から始めましょう。また、投球側でグーパー運動などを行い、前腕の疲労をこまめに解消することも大切です。

④ 専門院での治療アプローチ 専門院では、リハビリの進行度に合わせて、ゴムチューブを使った肩や体幹のインナーマッスルの強化メニューを個別に指導します。また、ご自宅では難しい肘関節の微妙な可動域の改善を目的とした徒手療法を行い、スムーズな動きを取り戻します。


 

Q5:野球肘を予防するために、投球制限は必要ですか?

 

A5 ① 結論 はい、成長期の野球肘予防において、投球数や投球イニングの適切な制限(リミット)は必須であり、科学的根拠に基づいた最も効果的な予防策の一つです。

② 理由・メカニズム 多くの医学研究により、投球数が増えるほど肘の障害リスクが高まることが証明されています。アメリカのスポーツ医学会(ASMI)や日本整形外科学会なども、成長期の年齢に応じた投球制限ガイドラインを推奨しています。投げすぎによる疲労の蓄積は、フォームの乱れを誘発し、組織の修復が追いつかなくなるため、障害に直結します。

③ 改善のための具体的対策 指導者や保護者は、年齢に応じた投球制限ガイドラインを理解し、厳守すべきです。特に、変化球の投げすぎや、**試合後の翌日オフ(完全休養)**の徹底など、肘を休ませるためのルール作りが重要です。

④ 専門院での治療アプローチ 専門院では、投球障害予防の観点から、休息の重要性を指導者に伝えるサポートも行います。また、投球制限と並行して、疲労回復を早めるための施術や、投球数を減らしても球威を維持するための効率的なフォームの指導を提供します。

執筆者:アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

理学療法士・はり師・きゅう師・柔道整復師・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持ち、これまでの経験・実績を基に情報を発信し、少しでも多くの方の助けになるよう努めている。

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