【症例報告㉙】ふくらはぎの肉離れ|痛みが消えても治ったとは限らない?枕崎市40代・男性の施術例

2026年10月23日

この症例を3行でまとめると

  • 症状: 枕崎市の40代男性。社会人サッカー中のダッシュでふくらはぎを負傷し、歩行時痛・腫れ・内出血が出現。

  • 施術: 腓腹筋内側頭の損傷を疑い、物理療法・徒手療法と段階的な運動療法を実施。

  • 結果: 筋力が院内評価で正常な状態まで回復。片脚カーフレイズやダッシュ・切り返しなどの競技動作も評価。


はじめに|肉離れは痛みがなくなれば治った?

「サッカー中にダッシュした瞬間、ふくらはぎに痛みが走った」

「痛みはなくなったけれど、もう全力で走っても大丈夫?」

ふくらはぎの肉離れは、サッカーなどの急なダッシュや方向転換を伴うスポーツで発生しやすい筋損傷です。

しかし、「痛みがなくなった=完全に治った」とは限りません。

痛みが改善していても、筋力や柔軟性、競技に必要な運動機能が十分に回復していない場合があります。

今回は、枕崎市在住の40代男性が、社会人サッカー中にふくらはぎを負傷し、腓腹筋内側頭の肉離れが疑われた症例をご紹介します。


① 症例紹介|枕崎市40代・サッカー中に発生したふくらはぎの痛み

項目 内容
年齢・地域 ▶︎40代男性・枕崎市
受傷原因 ▶︎社会人サッカー中のダッシュ
損傷が疑われた部位 ▶︎腓腹筋内側頭(ふくらはぎの内側)
主な症状 ▶︎歩行時痛・腫脹・内出血
損傷程度の評価 ▶︎臨床所見から軽度〜中等度の損傷を疑う
施術経過 ▶︎筋力が院内評価で正常な状態まで回復

来院時には、歩行時の痛みに加え、ふくらはぎ内側の腫れや内出血が認められました。

当院では、受傷時の状況、圧痛部位、関節可動域(ROM)、足関節底屈筋力などを確認しました。

その結果、腓腹筋内側頭の筋損傷が疑われる状態と評価しました。

腓腹筋は膝関節と足関節の両方をまたぐ筋肉です。特に膝を伸ばした状態で足首が背屈されると伸張負荷がかかり、ダッシュや急な踏み込みで損傷することがあります。

今回も、受傷機転と身体所見を踏まえ、腓腹筋内側頭に着目して対応しました。

※損傷部位・程度は当院の臨床評価に基づくものです。医師による確定診断や画像検査による損傷範囲の確認は行っていないため、医学的な確定診断を示すものではありません。重症例や鑑別が必要な症例では、先に提携先の整形外科を受診していただく場合もございます。


② 施術内容|回復段階に合わせた3つのアプローチ

肉離れが疑われる場合、損傷部位を保護するだけでなく、症状に応じて運動負荷を段階的に高めていくことが重要です。

今回の症例では、物理療法・徒手療法・運動療法を組み合わせて対応しました。

1.物理療法|痛みへの対応と患部の保護

ハイボルト・マイクロカレント・超音波療法を状態に応じて使用し、テーピングによる患部のサポートも行いました。

これらは主に疼痛管理や患部の保護を目的とした補助的な施術です。

物理療法によって筋肉の修復が早まる、競技復帰までの期間が短縮するといった効果が、十分に確立されているわけではありません。

2.徒手療法|柔軟性と可動域へのアプローチ

痛みや腫れが落ち着いた段階で、横断マッサージや筋膜・軟部組織リリースを実施しました。

筋肉の修復過程では瘢痕組織が形成されますが、これは正常な治癒反応の一部です。

徒手療法によって瘢痕組織を選択的に除去したり、再受傷を防いだりできるという十分な根拠はありません。

そのため、損傷初期の強い刺激は避け、疼痛や可動域を確認しながら補助的に実施しました。

3.運動療法|筋力回復からサッカーの動作へ

症状や筋力の回復に合わせて、運動負荷を段階的に高めました。

座位カーフレイズ → 立位カーフレイズ → ジョギング

膝を曲げた状態では腓腹筋の関与が相対的に小さくなり、ヒラメ筋への負荷が高まりやすくなります。一方、膝を伸ばした状態では腓腹筋にも負荷をかけやすくなります。

このような特徴も踏まえながら、筋力の回復に応じて運動内容を調整しました。

さらに、片脚カーフレイズによる筋持久力の確認や、ダッシュ・切り返しなどの競技動作も評価しました。

受傷からの日数だけでなく、筋力・可動域・運動時の症状を確認しながら進めたことがポイントです。


③ 施術経過|痛みの改善だけでなく、筋力・競技動作まで評価

段階的な施術とリハビリを進めた結果、ふくらはぎの筋力は院内評価で正常な状態まで回復しました。

しかし、筋力が回復しただけで、サッカーに必要な運動機能がすべて回復したとは限りません。

そこで、以下の項目も確認しました。

評価項目 確認するポイント
片脚カーフレイズ ▶︎回数・踵の挙上高・左右差・代償動作・疼痛
筋力評価 ▶︎健側との筋力差
ダッシュ・切り返し ▶︎動作中の痛み・フォーム・負荷への対応
運動後の状態 ▶︎痛みや腫れの変化、翌日の反応

なお、片脚カーフレイズ20〜30回や筋力の健側比90%以上などは、機能評価の参考として用いられることがあります。

ただし、これらは今回の患者様の実測値ではなく、競技復帰を保証する絶対的な基準でもありません。

今回の症例では、痛みの改善だけで施術を終了するのではなく、筋力・筋持久力・競技動作まで評価したことが重要なポイントです。


④ ふくらはぎの肉離れは何週間で治る?スポーツ復帰の目安

ふくらはぎの肉離れは、損傷の程度や部位、腱組織への影響、競技で求められる運動強度によって回復期間が異なります。

研究では、軽度の損傷では数週間程度で復帰する例がある一方、中等度以上の損傷や腱組織を含む損傷では、復帰までに数週間から数か月を要することも報告されています。

例えば、2025年のナラティブレビューでは、研究ごとに評価方法や対象競技が異なるものの、Grade Iで平均約17日、Grade IIで平均約25日といった復帰期間が紹介されています。

ただし、これらは研究集団の平均であり、個々の患者さんにそのまま当てはまるものではありません。

特にサッカーでは、歩行やジョギングができるようになっても、全力ダッシュ・急停止・切り返し・キックなどで大きな負荷がかかります。

そのため、「何週間経過したか」ではなく「競技に必要な動作に対応できるか」を重視することが大切です。


⑤ 肉離れの再発を防ぐために大切なこと

肉離れは、痛みが消失した後も筋力や運動負荷への耐性が不十分であれば、再受傷につながる可能性があります。

再発リスクを減らすためには、回復段階に応じて次のような取り組みが重要です。

  • 筋力の回復: 腓腹筋・ヒラメ筋に段階的に負荷をかける

  • 伸張負荷への対応: 筋肉が伸ばされながら力を発揮する運動も取り入れる

  • 競技動作への適応: ジョギングからダッシュ・急停止・方向転換へ進める

  • 負荷量の調整: 運動中だけでなく、運動後や翌日の症状も確認する

また、過去にふくらはぎの肉離れを経験していることや加齢は、将来のふくらはぎ損傷の危険因子として報告されています。

ただし、特定の運動を行えば再発を確実に防げるわけではありません。

痛みを取ることだけでなく、再びスポーツの負荷に対応できる身体機能を取り戻すこと。

これが当院の大切にしている考え方です。


⑥ 枕崎市・南九州市で肉離れやスポーツ障害にお悩みの方へ

アーク鍼灸整骨院 鹿児島院では、ふくらはぎの肉離れが疑われる症状をはじめ、サッカーやランニングなどによるスポーツ障害に対応しています。

▶︎アーク式スポーツ専門施術の詳細はこちら

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当院では、痛みのある部位だけでなく、関節可動域・筋力・身体の動きを評価し、一人ひとりの状態に合わせた施術とリハビリを行っています。

「肉離れを繰り返している」

「痛みはなくなったけれど、全力で走るのが怖い」

「安全にスポーツへ復帰したい」

このようなお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

枕崎市・南九州市・南さつま市・指宿市など、南薩エリアの皆様のスポーツ復帰をサポートしています。

※ふくらはぎの痛みには、アキレス腱断裂や深部静脈血栓症など、筋損傷以外の疾患が隠れている場合もあります。強い腫れ・内出血・歩行困難、症状の悪化などがある場合は、医療機関での診察を優先してください。息切れや胸痛を伴う場合は緊急の医療評価が必要です。


まとめ|肉離れのゴールは「痛みの消失」ではなく「機能的な回復」

今回の症例では、社会人サッカー中にふくらはぎを負傷し、腓腹筋内側頭の損傷が疑われた40代男性に対して、物理療法・徒手療法と段階的な運動療法を実施しました。

その結果、筋力は院内評価で正常な状態まで回復し、片脚カーフレイズやダッシュ・切り返しなどの競技動作も評価しました。

肉離れは、痛みがなくなっただけでは完全に回復したとは限りません。

アーク鍼灸整骨院 鹿児島院では、痛みの改善に加え、筋力や運動機能まで確認し、スポーツ復帰と再発予防をサポートしています。


関連ページ

・アーク鍼灸整骨院症状ページ「スポーツ外傷・障害」ページへのリンク

・アーク鍼灸整骨院症状ページ「肉離れ」ページへのリンク

参考文献・サイト

・公益社団法人 日本整形外科学会「症状・病気をしらべる|肉離れ」

・一般社団法人 日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 5.肉離れ」

・Medial Gastrocnemius Strain: Clinical Aspects and Algorithmic Approach(2024)

 

執筆者:アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

理学療法士・はり師・きゅう師・柔道整復師・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持ち、これまでの経験・実績を基に情報を発信し、少しでも多くの方の助けになるよう努めている。

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