【症例報告16】指宿市の11歳サッカー少年:繰り返す踵の痛み(シーバー病)へのアプローチ

2026年02月20日

南九州市エリア(指宿市・枕崎市・南さつま市)でスポーツ障害のサポートを行っているアーク鍼灸整骨院です。今回は、成長期のジュニアアスリートに多い「踵(かかと)の痛み」について、当院の分析と対応事例をご紹介します。


🧍‍♀️患者様情報

  • 11歳・男性(指宿市・サッカークラブ所属)

  • 主訴:3ヶ月前から続く踵の痛み。ダッシュやジャンプの着地で悪化。

  • 状態:歩行時にも違和感があり、練習を休んでも再開すると痛みが戻る状態。


🔍 症例の分析:シーバー病(踵骨骨端症)の基本病態

シーバー病は、成長期の柔らかい踵の骨(骨端部)に、アキレス腱の「牽引ストレス」と地面からの「荷重衝撃」が繰り返し加わることで起こるオーバーユース障害です。一般に、ふくらはぎ(下腿三頭筋)の硬さや、足首の過回内(土踏まずの崩れ)がリスク要因とされています。

【当院の視点:姿勢と足部の相互作用】

今回のケースでは、姿勢分析と触診により、足元だけでなく「全身の連鎖」に注目しました。

  • アライメントの観察:足部の過回内(踵が内側に倒れる状態)に加え、姿勢タイプとしては骨盤が後方に傾き、重心が後ろに残る「スウェーバック傾向」が見られました。

  • 臨床的考察(仮説):一般的に過回内は骨盤前傾を助長すると言われますが、この患者様のように骨盤後傾・後方荷重のバランスを足元で補おうとして、結果的に過回内を強めてしまう代償パターンも臨床上少なくありません。この連鎖が、踵への衝撃分散を妨げ、痛みを長引かせる一因になっているのではないかと推測しました。


💆‍♀️ アーク鍼灸整骨院のアプローチ

当院では「痛みの緩和」と「負担の少ない身体作り」を並行して進めます。

① 局所の除痛と組織の柔軟化

ハイボルテージ療法で深部の炎症を抑えるとともに、タイトネス(硬さ)が顕著だったハムストリングスや下腿三頭筋を手技で調整。骨盤や足首が動きやすい環境を整えます。

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② 足部アライメントのサポート(フォームソティックス・メディカル)

足病医の知見に基づき開発された矯正用インソールを処方。物理的に足元の過回内を補正することで、アキレス腱が踵を引っ張るストレスの軽減を目指します。

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③ ピラティスによる姿勢・動作教育

インソールで足元を整えた状態で、ピラティス(運動療法)を実施。骨盤のコントロール力や体幹の安定性を高め、特定の部位(踵)に負担が集中しない「効率的な重心移動」を身につけるリハビリを行います。


🌿 経過と結果

  • 初回〜3回目:炎症の抑制とインソールの使用により、日常生活での痛みは消失。

  • 6回目:ハムストリングスの柔軟性が向上し、後方荷重が改善。練習に部分復帰。

  • 8回目:全力プレーでも痛みが出ない状態を確認。セルフケアの継続を約束し、卒業。

患者様の声

【お母様より】 「練習を休ませても、再開するとすぐに痛がる息子を見て、親としてどうしてあげればいいか悩んでいました。整形外科では『成長痛だから休むしかない』と言われましたが、なぜ踵に負担がかかっているのかを分かりやすく説明してくださり、親子で納得できました。 特にスウェーバックという姿勢が原因かもしれないと聞いた時は驚きましたが、インソールと運動指導のおかげで、今では元気にフィールドを駆け回っています。指宿から通った甲斐がありました。本当にありがとうございました。」


🧑‍⚕️ 担当者からのコメント

シーバー病の改善には、局所の安静だけでなく「なぜそこに負担が集中したのか」を考える必要があります。本症例では、足首のアライメントと全身の姿勢連鎖の双方からアプローチすることで、良好な経過を得ることができました。

※改善までの期間や効果には個人差があります。当院では一人ひとりの身体特性(アライメント)に合わせた計画を提案しています。


📝 まとめ

「休めば治るが、始めると痛い」を繰り返す場合、身体の使い方のバランスが影響しているかもしれません。 南九州市、枕崎市、指宿市、南さつま市で、お子様のスポーツ障害や姿勢にお悩みの方は、アーク鍼灸整骨院へご相談ください。


📚 参考文献・医学的根拠について

当院では、患者様へ提供する情報の正確性を期すため、以下の公的機関の資料や医学的知見をベースに臨床推論を行っています。

  • シーバー病(踵骨骨端症)の基本病態について

  • 足部のアライメント(過回内)と身体連鎖について

    • 『プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系』(医学書院)

    • 「下肢の運動連鎖(Kinetic Chain)」における上行性・下行性の相互作用に関する基礎解剖学を根拠としています。

  • インソール(足底板)の有効性について

    • James AM, et al. (2013) 「Effectiveness of interventions in reducing pain and maintaining physical activity in children and adolescents with calcaneal apophysitis (Sever’s disease)」

    • シーバー病に対するインソールやヒールカップが疼痛軽減に寄与するという報告を参考にしています。

【注釈:当院の臨床的仮説について】

本記事で言及した「スウェーバック姿勢と過回内の代償関係」および「後方荷重によるリスク増大」については、個別の症例における身体動作分析(臨床推論)に基づくものです。全ての方に一律に当てはまる「確立された医学的セオリー」ではなく、患者様一人ひとりの柔軟性、筋力バランス、競技特性を考慮した当院独自の評価基準であることを明記いたします。

執筆者:アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

理学療法士・はり師・きゅう師・柔道整復師・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持ち、これまでの経験・実績を基に情報を発信し、少しでも多くの方の助けになるよう努めている。

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