【症例報告26】肩を上げると痛い…インピンジメント症候群が疑われた指宿市・50代女性の改善例

2026年08月3日

【この記事を3行でまとめると】

・肩を上げると激痛が走り、夜も眠れなかった50代女性が来院。

・原因は肩だけでなく、胸椎や肩甲骨の動きの低下による運動連鎖の乱れが関係していると考えられました。

・骨格調整・運動療法・ピラティスにより8回で農作業へ復帰されました。

患者様情報

  • 年齢・性別:50代・女性

  • 居住地:鹿児島県指宿市(南九州市、枕崎市、南さつま市からも来院多数)

  • 職業/生活背景:農業(収穫物の箱詰め、高所にある作物の摘み取り、中腰での連続作業など)

  • 症状の経過・発症時期:約3ヶ月前から右腕を外側から持ち上げる際に肩奥の引っかかり感と強い痛みが出現。徐々に夜間の寝返りでも痛み(夜間痛)を感じるようになり、作業と睡眠に支障をきたしていた。

  • ご利用制度/通院頻度:自費施術(姿勢・運動機能改善コース)/週1〜2回ペース

ご来院のきっかけ

指宿市で農業に従事されているこちらの患者様は、「コンテナを持ち上げたり、頭上の作物を収穫しようと腕を上方に伸ばすと、右肩の奥に鋭い痛みが走る」とお困りでした。

「収穫の繁忙期に仕事を休むわけにはいかないのに、夜も痛みで目が覚めてしまい疲れが取れない…」と、強い不安を抱えてご来院くださいました。

症状の概要

肩関節(肩甲上腕関節)は人体の関節の中で最も可動域が広い反面、構造的に不安定な側面を持ちます。腕を上方に挙上する際、肩峰(肩の骨の突出部)と腕の骨(上腕骨)の間で、腱板(棘上筋腱など)や肩峰下滑液包などの組織が物理的に挟み込まれることで生じる痛みや引っかかり感を「肩関節インピンジメント症候群」と呼びます。

特に農作業などの繰り返し動作や、長時間の前傾姿勢が続くと、肩関節局所だけでなく背中(胸椎)や肩甲骨の動きが制限され、肩への負担が著しく増大します。

検査結果と症状の推察・臨床的評価

当院では、痛みのある局所だけを見るのではなく、丁寧な問診と徒手検査、動作観察を通じて症状の背景にある要因を探ります。

1. 問診・視診からの推察

「外転挙上(腕を横から上げる動き)での引っかかり」「結髪・結帯動作の制限」「夜間痛」を聴取。長年の農作業による前傾姿勢(猫背)の定着が確認されたため、腱板疾患や頚椎由来の痛みを鑑別しつつ、胸椎・肩甲帯の運動学的な機能不全に伴うインピンジメント現象の可能性を推察しました。

2. 整形外科的テスト(スペシャルテスト)の実施

病態の推定と症状誘発の確認のため、以下の徒手検査を実施しました。

テスト 結果 何が考えられる?
ニーアテスト 腕を上げると痛み(+) 肩の腱が挟まれている可能性
ホーキンステスト 内側へひねると痛み(+) インピンジメントの可能性
フルキャンテスト 力が入りにくい・痛い 棘上筋の機能低下が疑われる

※これらのスペシャルテストは確定診断を下すものではなく、病態の推察や施術方針を組み立てるための補助的評価として活用しています。

3. Joint-by-Joint理論と運動連鎖(Kinetic Chain)の評価

Joint-by-Joint理論の視点から全身のアライメントと動作を評価した結果、本来モビリティ(可動性)を担うべき「胸椎」と「股関節」の可動域制限が観察されました。その影響で、本来スタビリティ(安定性)が求められる「肩甲骨(前鋸筋・下部僧帽筋の機能低下)」や「腰椎」に代償的な過剰負荷が集中。下半身から体幹、上半身へと力を伝える「Kinetic Chain(運動連鎖)」が不全を起こし、結果として肩関節への負荷を高めている状態と考えられました。

4.姿勢・アライメント評価

評価項目 状態・観察結果
柔軟性(tight/短縮筋) 大胸筋、小胸筋、広背筋、肩甲下筋の緊張過多
可動性(モビリティ低下) 胸椎の伸展・回旋制限、肩関節の内旋制限、股関節伸展制限
安定性(スタビリティ低下) 前鋸筋、下部僧帽筋、ローテーターカフ、体幹深層筋(コア)の出力低下
代償パターン(姿勢タイプ) 円背(猫背)+巻き肩、腕挙上時のシュラグ(肩すくみ)動作

これらの検査結果から、腱板断裂を疑うような著しい筋力低下は認めず、肩峰下でのインピンジメントが症状に関与している可能性が高いと推察しました。

アーク鍼灸整骨院の施術・アプローチ

アーク鍼灸整骨院では、国家資格者(柔道整復師・鍼灸師)や専門資格を持つスタッフが、AI姿勢分析による可視化(評価の補助ツールとして活用)と、手技・運動療法を組み合わせた「根本改善・再発予防・姿勢改善」を目指すプログラムを提供します。

手技療法(骨格×深層筋調整・筋膜リリース)

過緊張が生じている小胸筋や広背筋、肩周辺の筋膜・深層筋へ丁寧にアプローチ。後弯傾向にある胸椎や前傾した肩甲骨のアライメントを整え、関節がスムーズに動くためのスペース確保を目指します。

▶︎骨格×深層筋調整の詳細はこちら

運動療法・ピラティス指導

肩甲骨の正しい運動パターンを再教育し、体幹の安定性を高めるためピラティスエクササイズを導入しました。

  • 胸椎モビリティエクササイズ(キャット&カウ、スワン等):固まった背中の可動性を回復。

  • 前鋸筋・肩甲骨周囲の活性化(プッシュアップ・プラス等):肩甲骨の上方回旋をスムーズにし、挙上時の肩すくみ代償を抑制。

  • 腹横筋の活性化(ドローイン+呼吸法):体幹軸を安定させ、運動連鎖の基盤を構築。

生活・姿勢指導

農作業時の身体の使い方(腕だけで荷物を持ち上げず、股関節を折り曲げて体幹を使うヒップヒンジの指導)や、作業の合間にできる「肩甲骨・胸筋のセルフストレッチ」を指導しました。

改善の経過

※効果や経過には個人差があり、特定の効能・効果を保証するものではありません。

改善の経過

通院 身体の変化
初回 AI姿勢分析と動的評価を実施。施術後は腕を上げた際の引っかかり感が減少し、可動域の改善を確認。
3回目 夜間痛が和らぎ、「以前より眠れるようになった」と実感。肩をすくめる代償動作も軽減。
6回目 農作業中の痛みが大幅に軽減。箱詰めや高所での作業も落ち着いて行えるようになる。
8回目 腕を最後まで上げても痛みはなく、胸椎・肩甲骨の動きも安定。再発予防のメンテナンス期へ移行。

患者様の声

「腕を上げるたびに肩の奥が痛み、大好きな畑仕事を続けられるか不安でした。アーク鍼灸整骨院さんで『肩だけでなく背中の硬さや身体の使い方の癖が関係している』と分かりやすく説明してもらい安心できました。ピラティスを取り入れた運動を続けていくうちに痛みが楽になり、今では元気に農作業ができています!」

担当者からのコメント

今回の症例では、長年の農作業姿勢による胸椎の可動性低下が引き金となり、代償的に肩関節へ過剰な負担が集中していたことが主な要因と考えられました。

当院では「Joint-by-Joint理論」に基づき、局所のケアに留まらず、全身の運動連鎖を整えるアプローチを重視しています。痛みの再発を防ぎ、安心して日常生活や仕事に打ち込めるお身体づくりをサポートいたします。

よくある質問 Q&A

Q1. インピンジメント症候群のような肩の痛みの通院期間や頻度の目安は?

A. 初期段階では週1〜2回のペースで通院いただき、多くの方は1〜2ヶ月(6〜8回前後)を目安に症状の軽減を実感されます。

状態が落ち着いた後は、良好な姿勢や運動機能を維持するために月1〜2回のメンテナンスをおすすめしています。

Q2. 施術やピラティス運動療法を受ける際、どのような服装で行けば良いですか?

A. 動きやすい服装(ジャージやストレッチ性のあるパンツなど)でお越しください。

当院では手技療法だけでなく身体を動かすエクササイズも行うため、お着替えをお持ちいただくことも可能です。

Q3. 夏のエアコン冷えや冬の寒さで肩の痛みが強くなることはありますか?

A. はい、気温の変化や冷えによって血行が滞ると、筋肉の緊張が強まり肩の痛みが増悪しやすくなります。

季節に応じた保温ケアや、日常生活でできるストレッチ指導も合わせて実施しています。

Q4. 保険適用になりますか?また予約は必要ですか?

A. 急性の怪我(打撲・捻挫など明確な負傷原因のあるもの)には健康保険が適用可能です。

慢性的な肩こりや姿勢改善プログラムは自費診療となります。当院は待ち時間を最小限にするため予約優先制を採用しております。

Q5.夜間痛がある場合は整形外科を受診した方がいいですか?

A.夜間痛はインピンジメント症候群だけでなく、腱板断裂や石灰沈着性腱炎などでもみられます。

痛みが強い場合や外傷後に腕が上がらない場合は、医療機関で画像検査を受けることも重要です。当院では必要に応じて整形外科受診をおすすめしています。

まとめ

アーク鍼灸整骨院では、単に痛む箇所を揉みほぐすだけでなく、AI姿勢分析や運動連鎖(Kinetic Chain)の視点からお身体全体のバランスを評価し、根本改善と再発予防を目指しています。

南九州市・枕崎市・指宿市・南さつま市で「指宿市 肩こり改善」や姿勢の乱れ、腰痛・肩痛でお悩みの方は、ぜひ一度当院へお気軽にご相談ください。肩の痛み、四十肩、五十肩、インピンジメント、夜間痛、腕が上がらない等、肩のお悩みなら当院にご相談ください。

参考文献・引用元

  • 厚生労働省:「運動器疾患に関する情報」

  • 日本整形外科学会:「肩関節インピンジメント症候群」

執筆者:アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

アーク鍼灸整骨院 院長 坂元 大海

理学療法士・はり師・きゅう師・柔道整復師・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの資格を持ち、これまでの経験・実績を基に情報を発信し、少しでも多くの方の助けになるよう努めている。

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